Googleは現地時間10月20日に、Androidスマホの最新モデルとして「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」を発表しました。今回発表されたPixelは、Google初の独自プロセッサーのSoC「Google Tensor」を搭載しています。このSoCはAI処理能力を高めていて、言語処理、機械学習とカメラ機能を強化する目的で開発されています。そのPixel 6シリーズのスペックや特徴をみてみましょう。
デサイン
Pixel 6シリーズがインパクトのあるデザインでリリースされ、「カメラバー」というデザインアイコンをカメラユニットに採用し、高機能で大型化したカメラの位置を中心に対称的することでバランスがいいデザインを実現されました。大胆な新デザインはGoogleが「まったく新しいスマートフォンの体験をユーザーに届けたい」と考えて、プレミアム仕上げで製造されました。
Google Tensor
Pixel 6シリーズではSoCにGoogle初の開発「Google Tensor」を採用しています。「Pixel 6」はメモリ8GBで、ストレージが128GBと256GBの2つのモデル、「Pixel 6 Pro」はメモリ12GBがストレージ128GBと256GBで全4つのモデルがあります。
「Google Tensor」は最新のSamsung 5nm EUVプロセス技術にて製造されていて、CPUには2.8GHz動作の2基のプライムコア「Arm Cortex-X1」、2.25GHz動作の2基のビッグコア「Arm Cortex A76」と、1.8GHz動作の4基のスモールコア「Arm Cortex A55」、GPUは「Arm Mali-G78 MP20」を搭載しています。Googleによれば、他社のSoCのように「Arm Cortex-X1」を1基のプライムコアではなく、2基のプライムコアの搭載のほうが効率が最大化するとのことです。
「Google Tensor」はCPU/GPUのパフォーマンスが「Pixel 5」にくらべて大幅に向上しています。シングルコアのパフォーマンスは80%向上し、グラフィックスのパフォーマンスが、なんと370%も向上しています。
ディスプレイ
「Pixel 6」のディスプレイサイズは6.4インチ(20:9、FHD+、1080×2400ドット解像度)で、「Pixel 6 Pro」は6.7インチ(19.5:9、QHD+、1440×3120ドット解像度)です。「Pixel 6 Pro」は「iPhone 13 Pro Max」と同じサイズですね。
表示リフレッシュレートは「Pixel 6」が最大90Hz駆動で、「Pixel 6 Pro」が最大120Hz駆動なのですが、Proのみは消費電力を抑えたい場合、リフレッシュレートを10Hzまで落とします。「Corning Gorilla Glass Victus」の採用により、IP68等級の防塵性能と防水性能を備えていて、キズへの強さはこれまでの2倍になっていました。
カメラ
同モデルとも背面に5000万画素のメインカメラ、1200万画素の超広角カメラを備えており、「Pxiel 6 Pro」のみ4800万画素の望遠レンズも備えているトリプルカメラです。メインカメラのセンサーサイズは1/1.31インチで、「Pxiel 6 Pro」の望遠カメラは光学4倍ズームとデジタルズームでは超解像ズームにより最大20倍のズームに対応しています。「Pixel 6」のフロントカメラでは800万画素(F値2.0)、「Pixel 6 Pro」のでは4K動画も撮れる1110万画素(F値2.2)です。
そして、Pixel 6シリーズのカメラと過去のモデルとの最大な違いがGoogleが開発した「Google Tensor」によって可能になったカメラ機能です。動画撮影においては、「Google Tensor」の採用において、4Kの60fps動画撮影が可能となりました。このほか、新しく使える消しゴムマジック(Magic Eraser)、「Google Photo」アプリの機能は、写真に写りこんでしまった余計な人や物を削除できます。リアルトーン(Real Tone)はインクルーシブなスマートフォンを考え、さまざまな人種と民族に配慮した、自然な肌の色を実現するために作られた機能です。
「Google Tensor」で可能になった機能
Pixel 6シリーズの最も特徴的な点は、「Google Tensor」により可能になったさまざまな機械学習技術を用いた機能です。その8つの新機能がこちらです。
- アシスタント音声入力:LINEやMessageアプリでは「送信」、「消去」や「停止」など、声だけで操作が可能になりました。
- リアルタイム翻訳:名前の通り、LINEやMessageアプリで表示されている言葉、カメラに写っている言葉を翻訳してくれます。
- レコーダー:音の種類を判別したり、自動文字起こしがついたレコーダーです。
- 消しゴムマジック:写真に写りこんでしまった余計な人や物を削除できます。
- モーションモード:撮影した写真に長時間露光や流し撮りなどの効果を簡単に付加する機能です。
- 顔フォーカス:人の顔はブレない写真が撮れます。
- リアルトーン:さまざまな人種と民族に配慮した、自然な肌の色を実現するために作られた機能です。
- 超解像ズーム:遠くの写真をズームしても、きめの細かさを保てます。
まとめ
Pixel 6シリーズでは「Google Tensor」のおかげで、デバイスには前より長く、5年間のセキュリティパッチが適用されます。日本で販売される「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」はおサイフケータイ、Felicaをサポートします。発売日は10月28日ですが、もうGoogle公式ストアでSIMフリー版が販売予約されていて、税込み販売価格は「Pixel 6」の128GBモデルが7万4800円、256GBモデルが8万5800円です。そして、「Pixel 6 Pro」の128GBモデルが11万6600円と256GBモデルが12万7600円です。
スペック | Pixel 6 | Pixel 6 Pro |
OS | Android 12 | Android 12 |
SoC | Google Tensor – 2x Cortex-X1 + 2x Cortex-A76 + 4x Cortex-A55 | Google Tensor – 2x Cortex-X1 + 2x Cortex-A76 + 4x Cortex-A55 |
GPU | Mali-G78 | Mali-G78 |
RAM | 8GB | 12GB |
ストレージ | 128/256GB | 128/256GB |
ネットワーク | 5G対応 | 5G対応 |
画面 | 6.4型有機EL(FHD+:1080 x 2400) | 6.7型有機EL(QHD:1440 x 3120) |
ディスプレイ機能 | 90Hzリフレッシュレート、Gorilla Glass Victus | 120Hzリフレッシュレート、Gorilla Glass Victus |
メインカメラ | 5000万画素メイン+1200万画素超広角 | 5000万画素メイン+1200万画素超広角+4800万画素望遠 |
フロントカメラ | 800万画素(F値2.0) | 1110万画素(F値2.2) |
ビデオ録画 | 4K(2160p)/60fps | 4K(2160p)/60fps |
バッテリー容量 | 4614mAh | 5003mAh |
充電 | 30W充電可能/USB Type-C 3.1/ワイヤレス充電 | 30W充電可能/USB Type-C 3.1/ワイヤレス充電 |
サイズ | 158.6mm×74.8mm×8.9mm | 163.9mm x 75.9mm x 8.9 mm |
重さ | 207g | 210g |
本体色 | ストーミーブラック、カインダコーラル、ソータシーフォーム、 | ストーミーブラック、ソータサニー、クラウディホワイト |
その他 | Felicaポート、IP68、指紋認証、NFC | Felicaポート、IP68、指紋認証、NFC |